:: 04風景尾瀬ヶ原
天空からの大きなスポットライト。
何千もの主役たちがいっせいに歌いだしました。
コントラストを強くしすぎたでしょうか。
でもこの赤を引き立たせたかったもので。
秋が血を流し、終わりを告げようとしているようです。
白と黒のコントラストだけの絵です。
真反対の色なのに、どちらも寒い冬を連想させます。
これは、あまりにも定番の場面ですが、やはり美しいと思う。
定石の美というものはあるのでしょう。
光の悪戯。いや光の芸術といった方がいいかな。
暖かな色なのに、何処か雪の世界を想像させる色でした。
すぐ冬が来るというのに、妙に歓ぶ一団。
葉を薄くしながらも、歓声を上げているよう。
上半分の暖かさと、下半分の冷たさ。
光の悪戯なのに、妙に感傷的になりました。
風の谷のナウシカの、黄金色の草原がそこにはありました。
ただ、風はなく、光だけが通り過ぎていきました。
あの桃色は何の色だったのだろう。
とても木の色とは思えませんでした。
それは白樺と呼ぶにはあまりにも輝いていました。
光は白を銀色に、黒を闇に見せる魔術師です。
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